アメリカの日本酒販売状況@現地系・日系小売店

先日、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに行く機会があり、現地の小売店で日本酒の取り扱い状況を視察しました。
アメリカの日本酒販売状況のレポートの第三回として、日本酒専門店を取り上げた第一・第二回とは変わって、現地のスーパーマーケットやワインショップを取り上げます。尚、本レポートはトランプ関税が発動する以前のものになります。

サンフランシスコで初めに訪れたのは「Whole Foods Market(ホールフーズ・マーケット)」。オーガニック食品を中心に販売する、高級路線の現地系大手スーパーマーケットです。
日本酒として統一されたカテゴリの棚はなく、ワインの品揃えの延長に、梅酒やその他のリキュールと一緒に常温で陳列されていました。
品揃えとしては生貯蔵酒やOrganic Sake(白鶴酒造/兵庫)、松竹梅にごり酒(米国宝酒造/カリフォルニア州)、MOMOKAWA(Sake One/オレゴン州)、ROAD TO OSAKA(大門酒造/大阪)、COWBOY YAMAHAI(塩川酒造/新潟)、海風土(今田酒造本店/広島)など約10銘柄が販売されていました。
このうち、現地で醸造している米国宝酒造、Sake Oneの商品は全て20ドル以下でしたが、日本から輸入された大門酒造や塩川酒造、今田酒造本店の商品は25~35ドル程度とやはり価格帯には差がありました。
さらに、ワインが4つの棚を全て使って陳列されているのに対し、日本酒に割かれている棚のスペースはごく僅か。他の現地系スーパーマーケット「Trader Joe’s(トレーダー・ジョーズ)」では一本も日本酒の取り扱いがなかったこともあり、アメリカの現地系スーパーマーケットでは日本酒はまだまだ馴染みが薄い飲料であることを痛感しました。

次に訪れたのはロサンゼルスの日系スーパーマーケット「NIJIYA MARKET(ニジヤ・マーケット)」です。
日本の食品や雑貨を専門的に扱っているお店だけあり、ざっと数えただけでも80以上の銘柄が売られていました。また、大吟醸酒や箱入りの高級酒、一升瓶は温度管理がされた冷蔵ケース内で販売されていました。
こちらでは、10ドルから100ドルを超えるものまで幅広い価格帯のお酒が扱われており、四合瓶で20~40ドルがボリュームゾーンのように感じました。

最後に訪れたのはロサンゼルスのワインショップ「FLASK&FIELD(フラスク・アンド・フィールド)」です。
ワインや雑貨がメインの商品ですが、スピリッツやソジュ、マッコリが並べられた常温の棚の一段が日本酒用になっており約10銘柄が並べられていました。各銘柄には、手書きのテイスティングノートのタグが付けられており、香りや味わいの特徴の他にペアリングのおすすめが記載されています。数は少ないものの1本1本を丁寧に売ろうとしている姿勢が感じられました。
一方で、蒸留酒と同じ棚で常温で売られていることにより、日本酒をよく知らない消費者には一見、蒸留酒の一種として捉えられてしまうのではないかといった懸念も抱きました。

現地系スーパーマーケット、日系スーパーマーケット、そしてワインショップと三者三様の取り扱い状況を見ることができたとともに、消費者が「日本酒を買おう」と思って足を運ぶ日本酒専門店以外の小売店でも日本酒の販売が広がることが、市場を広げる鍵になるのではないかと感じました。

Z世代酒匠ライター kanane_sake

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この記事を書いた人

新潟県在住のライター/編集者。酒匠。日本酒にハマったきっかけは、大学生の頃に飲んだ「新政」。次第に、地域や酒蔵によって全く違う、日本酒の味わいの多様さに惹かれていきました。新潟県内を中心に酒蔵の取材や、おすすめの日本酒紹介コラムの執筆を行っています。

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