
画像出典:美吉野醸造 WEBサイト
世代唎酒師がおすすめする
「今週の注目の一本」は
HANATOMOE 水酛×水酛/美吉野醸造(奈良)です。
商品名:HANATOMOE 水酛×水酛
酒蔵名:美吉野醸造株式会社(奈良県吉野郡)
精米歩合:70%
アルコール度数:18度
参考価格(税込):1980円
その他:水酛とは生酛系酒母の原点とも呼ばれる、自然界の乳酸菌の働きにより酸性にした「そやし水」を仕込み水として使う製法です。
新たな味わいの可能性を追求するHANATOMOEシリーズから生まれたこの一本は水酛の酒母を使用し、発酵の最終段階の留添えでは水の代わりに水酛のお酒を加えています。
水酛を酒母と留添えの2回に分けて使うという珍しい製法を用いることで、水酛ならではのヨーグルトのような乳酸感が凝縮された複雑な味わいを実現しています。
「酸を解放する酒造り」をモットーとする酒蔵が「新感覚の酸」を表現することを目指して作った、独創的な製法の一本。
穏やかな香り×華やかな香り、優しい甘味×ドライなキレと、一口の中に相反する要素が入り混じり、飲み口~余韻を感じるまでのわずかな時間の中でも万華鏡のようにくるくると香味の印象が変わる不思議なお酒です。
生酛系酒母のルーツとも言える、歴史ある製法をモダンな味わいに進化させた一本を試してみませんか?
唎酒師による香りと味わいの特徴
どぶろくのような真っ白な濁りが特徴的な外観です。その外観通りヨーグルトなどの乳製品を思わせる穏やかな甘い香りですが、口に含むやいなや鼻へと抜ける香りが一気に強く華やかに変化し、そのギャップに驚かされます。
ヨーグルトやカルピス、ヤクルトを思わせる乳酸由来の柔らかな甘味や酸味の後からドライなキレが続き、最後は甘味、アルコールの刺激、苦味が混ざり合った複雑な余韻で終わります。
鼻で嗅いだ時と口に含んだ時の香りの変化だけでなく、飲み始めの穏やかな甘さとその後に続くドライなキレとのギャップも面白い一本です。
唎酒師がおすすめする楽しみ方
<温度帯>
甘味や酸味を軽やかに感じたい場合は程よく冷やして飲むのがおすすめ。逆に乳酸由来のまろやかな酸味をしっかり感じたい時は温めて飲むのがおすすめです。
<酒器>
透明のワイングラスまたは切子硝子の酒器を使うことで、真っ白な濁りの色合いが楽しめます。他には、内側が白い陶器のおちょこを使うとお酒と酒器の色合いが同調する良い組み合わせとなります。
<合わせる料理>
ドライなキレは料理の油脂成分を洗い流してくれるため、焼肉などのがっつりとした肉料理や脂の乗った魚と合わせても重くなりすぎず楽しめます。また、自然界の乳酸を活かした製法なので、チーズやヨーグルトなどの乳製品ともまろやかな酸味が同調し、よく合います。
【参考】新訂 日本酒の基
