先日、アメリカのサンフランシスコとロサンゼルスに行く機会があり、現地の小売店で日本酒の取り扱い状況を視察しました。アメリカの日本酒販売状況のレポートとして、第一回はサンフランシスコの小売店を取り上げます。尚、本レポートはトランプ関税が発動し円高が進行する以前のものになります。

サンフランシスコでまず初めに訪れたのは、日本酒や焼酎の他、日本製のキッチンウェア、グラスウェアなどを扱う日本商品ショップ「Umami Mart(ウマミ・マート)」。後ほど取り上げる「True Sake(トゥルー・サケ)」と並んでサンフランシスコ近郊で日本酒を買うならここ、と言われるほど豊富な品揃えを誇ります。
壁一面に並んだ日本酒にはそれぞれの味わいやスペックを表すポップが貼られています。
例えば、Type(タイプ)の欄にはJunmai Ginjo(純米吟醸)、Junmai Kimoto(純米生酛)、Junmai Namachozo(純米生貯蔵)といった製法に関する記載があります。こういった記載について、アメリカの消費者がこれらの意味するところをどこまで正しく把握できているかは定かではありません。ただ、こうした日本酒の専門用語が、ソムリエやインポーターなどの日本酒に関わる業界の人だけでなく一般消費者が手に取れる場所で翻訳されることなくそのまま入っているところから考えると、清酒を意味する「Sake」という言葉が世界で広く使われるようになったのと同様に「吟醸」「生酛」「生貯蔵」などの用語も世界標準になる可能性があるのではないかと感じました。
他に、興味深かったのはProfile(性質)の欄 です。Umami(旨味)、Acidic(酸味)といった五味の要素でそのお酒に特徴的なものをピックアップする他、Juicy(ジューシー)、Fruity(フルーティー)、Balanced(バランスの取れた)といった味わいを形容する言葉やLemon curd(レモンスライス)、Fresh cheese(フレッシュチーズ)といった食品に例える言葉が書かれており、消費者がそれぞれの好みに合った日本酒を選びやすいよう工夫されています。
更には、日本では一般的なRice polishing (精米歩合)、SMV(日本酒度)、Acidity(酸度)の記載もありこういったスペックで選ぶ層も一定数いるのではないかということが伺えました。
次回は「True Sake(トゥルー・サケ)」での取り扱い状況についてレポートします。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
