「ベトナムのクラフトサケ事情(前編)」に続いて、今回もベトナム・ホーチミンのクラフトサケ醸造所”MUA Craft Sake”での体験をレポートします。

MUA Craft Sakeは、和歌山県の平和酒造と現地のクラフトブリュワリーEast West Brewing、レストランMùaの3社が提携して立ち上げた、清酒とクラフトサケの醸造所です。
醸造所併設のレストランで筆者が頼んだ4種類のお酒についてご紹介します。
初めに注文したのが3種類の飲み比べセットです。こちらはそれぞれのお酒に合う料理が書かれたカードが付いており、和食以外を念頭に置いた興味深いペアリングだったので一緒に紹介します。
①グァバと金柑/SAKE GUAVA KUMQUAT
①~③の飲み比べを注文した際に、こちらが最も軽い味わいなので初めに飲むように推奨されました。優しい甘さと独特な青っぽさが併存したグァバの味わいに柑橘の風味がプラスされています。
現地の方に聞いた話では、ベトナムでは完熟していない青さが残ったままのフルーツをよく食べるそうです。このお酒も完熟した南国フルーツの味わいというよりはまだ若い果物特有のフレッシュな味わいを上手く活かしており、完熟した果物の濃密な甘さを表現する日本のクラフトサケとは一味違う仕上がりになっていました。
PAIRS WITH(合う料理):Green Vegetables(緑野菜)、Mushrooms(マッシュルーム)、Pickles(ピクルス)、Hard Cheese(硬いチーズ)
アルコール度数:12%
②スパークリングマルベリー(桑の実)/SPARKILING MULBERRY WILD PEPPER
鮮やかな赤色に、まず目を惹かれます。ベリーのような味わいですが、酸味が少ない甘口のスパークリングサケです。一緒に注文した脂身の多い豚肉の粕漬けとは、脂身とお酒の甘味が絶妙に調和しつつも、口内で弾ける炭酸と後味にほんのりと感じるワイルドペッパー(日本の山椒に似たベトナムの香辛料)の清涼感のおかげで甘ったるくなりすぎることがなく、相性抜群でした。
PAIRS WITH(合う料理):Fresh Salads(新鮮なサラダ)、Raw Fish(刺身)、Oysters(牡蠣)
アルコール度数:10%
③CT25純米酒/CT25 PURE RICE SAKE
酒造りに通常使用されるジャポニカ米ではなく、パラパラとした食感が特徴のインディカ米で作った清酒です。注文の際に”Strong”と説明されましたが、日本で飲む清酒と比べると通常程度の味の濃さのように感じました。
米の旨味がしっかり乗った醇酒タイプの純米酒を思わせる味わいでした。
PAIRS WITH(合う料理):Read Meat(赤身肉)、Nuts(ナッツ)、Goat Cheese(山羊のチーズ)
アルコール度数:15.5%
次に、にごり酒を注文しました。
④Cloudy Nigori
見た目も味わいもにごり酒そのものですが、どこかパクチーを思わせる要素も感じられる面白い味わいでした。ほろ苦くやや癖のあるハーブの存在感がクリーミーなにごり酒の後ろに隠れているような印象です。
アルコール度数:14%
この日のメニューにあった10種のクラフトサケ・清酒の中で7割がアルコール度数12%以下であり、最も高いものでも15.5%と、全体的に低アルコールで軽めの味わいが好まれている印象でした。
ペアリングの紹介では刺身や牡蠣など日本でもお馴染みのものから、ピクルスや山羊のチーズなどその組み合わせもあるのか!と驚かされるもの、また、熟酒と合わせることが多いナッツを醇酒に合わせて紹介するといった意外性があり、お国柄の違いを感じられる面白い経験となりました。
Z世代酒匠ライター kanane_sake
